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「いじめの構造を破壊せよ」に掲載されている「ひとりぼっちの子の調査」の追試報告である。アンケート用紙などを使うのではなく子どもに聞くことによって、短時間で終わる。また子ども達も誘い合って遊ぶようになった。
1 追試実践
私は次のような方法で、この「一人ぼっちの子の調査」を実施した。
(1)クラスの月の目標に「みんなで遊ぼう」を取り上げた。
学校全体の生活目標が「みんなで遊ぼう」などの時に行なう。私はクラスで独自にこの目標を追加して行なった。
(2)中休み子ども達が教室に帰ってきたら「調査」を始める。
「全員起立」
「太郎君、あなたは中休み何をしていましたか」
「外で鬼ごっこをしていました。」
「太郎君といっしょに鬼ごっこをしていた人 手を挙げて。 座りなさい。」
「次郎さん。あなたは何をしていましたか」
「教室で絵を描いていました。」
「次郎さんと一緒に絵を描いていた人 手を挙げて。座りなさい」
このようにやると一人で遊んでいた子がわかる。その子を記録する。
(3)同様の「調査」を一週間続けた。
同じことを一週間繰り返した。
2 効果
(1)短時間で「ひとりぼっちの子」がわかる
まず「みんなで遊ぼう」という目標があるので、「ひとりぼっちの子の調査」が自然にできる。
またこの「調査方法」だと短時間で終った。今まではアンケート用紙に書いてもらい教師が集計していた。これは時間がかかった。この方法で行なうと1.2分で終る。
今までアンケート用紙に書いてもらっていたのは「ひとりぼっちだということがわかるとかわいそう」だと思っていたからである。
大間違いであった。「ひとりぼっちであるという事実」は、アンケート用紙であろうとその他の方法であろうと変わらない。
大切なのは「ひとりぼっちである」という事態を改善することなのだ。
(2)子ども達が誘いあって遊ぶようになった
この方法で行なうと「一人で遊んでいた」子が誰なのか子ども達にもわかる。
すると、子ども達はその子を誘うのである。「みんなで遊ぼう」と。
私のクラスでは、一日目「一人で校舎内をぶらぶらしていた」といった子どもを 他の子が次の日から「 いっしょに遊ぼう!」を声をかけて外で一緒に遊んだ。
(3)子ども達が結果を楽しみにするようになった
一週間続けて調査する。すると子ども達が結果を楽しみにするようになった。子ども達は一人で遊んでいた子が少なくなることがうれしいのだった。
全員誰かと遊んでいたということがわかった時には「やった!」と歓声をあげた。
《先行実践》 向山洋一著:『いじめの構造を破壊せよ』(明治図書106ページ)